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ピアスが怖い人必見!痛くない開け方とトラブル回避術12選

ピアスが怖い人必見!痛くない開け方とトラブル回避術12選

ピアスが怖い人必見!痛くない開け方とトラブル回避術12選を徹底解説

こんにちは。SELECT LOG、運営者の「sae」です。

ピアスを開けてみたいけれど痛いのは嫌だし怖い
あるいは過去に開けたときにトラブル続きで懲りてしまったという方は多いのではないでしょうか。

実は私自身も、初めて軟骨ピアスを開けようと思ったときは、ネット上の「激痛」「膿んだ」「肉芽」といった言葉を見て尻込みしていました。
しかし、大人になった今だからこそ分かるのは、ピアスに対する恐怖の正体は「何が起こるか分からない不安」だということです。

痛みや腫れ、金属アレルギーといったリスクは、正しい知識と少しの投資でコントロールすることができます。
この記事では、ファッションを楽しむために知っておくべきリスク回避のロジックと、具体的なケア方法について解説します。

記事のポイント
  • 耳たぶと軟骨で痛みのレベルや種類がどう違うのか
  • セルフと病院で安全性やコストにどのような差があるのか
  • 金属アレルギーを防ぐための正しい素材選びの基準
  • 万が一トラブルが起きた際の具体的な対処法
目次

ピアスピアスが怖いと感じる痛みの正体

「ピアスを開けるのが怖い」と感じるとき、その恐怖の正体は一体何でしょうか?
多くの場合、それは「痛みへの恐怖」と「未知の体験への不安」が複雑に絡み合ったものです。

私自身、初めて軟骨にピアスを開けようと決意したときは、何日もネットで検索魔になっていました。
「激痛だった」「血が止まらなかった」なんて体験談を見ては画面を閉じ、でもやっぱり可愛いピアスを見つけては「開けたい」と葛藤する日々。

しかし、実際に開けてみて分かったのは、痛みや恐怖は「仕組み」さえ理解してしまえば、ある程度予測し、コントロールできるものだということです。

闇雲に怖がるのではなく、まずはその痛みがどこから来るのか、解剖学的な視点と物理的な観点から分解してみましょう。
敵(痛み)の正体を知れば、適切な対策が見えてきます。

軟骨と耳たぶの痛みの違い

軟骨と耳たぶの痛みの違い

ピアスを開ける場所として代表的な「耳たぶ(ロブ)」と「軟骨(ヘリックスなど)」ですが、この二つは全く異なる組織構造をしています
その為、痛みの種類やレベルも明確に違うのです。
ここを混同していると、予想外の痛みに驚いてしまうことになります。

まず、耳たぶについてですが、ここは解剖学的には主に「脂肪組織」と皮膚で構成されています。
触ってみると分かりますが、プニプニとしていて柔らかいですよね。

血管や神経は通っていますが、組織自体の密度が低いため、針を通す際の抵抗が非常に少ないのが特徴です。
そのため、ピアッシングの瞬間は「チクリ」あるいは「ジーン」とする鋭い痛みが一瞬走るだけ。
すぐに落ち着くことがほとんどです。

採血の注射や、予防接種の痛みを想像してもらうと近いかもしれません。
「えっ、もう終わったの?」と拍子抜けする人も多いのが耳たぶの特徴です。

一方で、軟骨は全くの別物です。
軟骨は「結合組織」の一種であり、骨ほどではありませんが、非常に密度が高く硬い組織です。

ここに穴を開けるということは、脂肪のような柔らかいものを押しのけるのではなく、硬い繊維の束を物理的な力で断裂させ、貫通させるという行為になります。
そのため、耳たぶに比べて針を通す際により強い力(圧力)が必要となるのです。
その分、組織へのダメージも大きくなります。

痛みの質も異なります。
耳たぶが一瞬の鋭い痛みで終わるのに対し、軟骨は穿孔時の痛みに加えて、開けた後に「ジンジン」「ズキズキ」とした重い鈍痛が数時間から数日続くことがあります。
これは、硬い組織が無理やり広げられたことによる圧迫痛や、血流が乏しい軟骨組織特有の炎症反応によるものです。

さらに、軟骨の中でも部位によって痛みのレベルにはヒエラルキーが存在します。
例えば、耳の縁にある一般的な「ヘリックス」は比較的軟骨が薄いため、軟骨デビューには向いています。

しかし、耳の中央にある出っ張り部分「スナッグ」や、耳たぶの上にある軟骨の隆起「アンチトラガス」などは、軟骨が非常に分厚く硬いです。
その為、プロのピアッサー(施術者)でも力を込める必要があるほどの難所です。
当然、受ける側の痛みも強くなりますし、その後の腫れも大きくなりがちです。

【痛みの感じ方には個人差があります】
痛みの閾値(いきち)は人によって異なりますし、その日の体調や緊張具合によっても変化します。
「軟骨だけど全然痛くなかった」という人もいれば、「耳たぶでも涙が出るほど痛かった」という人もいます。
あくまで「構造上の傾向」として理解しておいてくださいね。

このように、耳たぶと軟骨は「皮膚」と「骨に近い組織」というくらい性質が違います。
「耳たぶと同じくらいだろう」と軽く考えて軟骨に挑むと痛い目を見ますが、逆に「軟骨は骨を砕くような激痛なんだ」と想像しすぎて恐怖で動けなくなる必要もありません。

適切な器具と手技を用いれば、その痛みは十分に許容範囲内に収まる一過性のものです。

軟骨ピアスの音が聞こえる現象

「ピアスを開けるのが怖い」という相談を受ける中で、意外と多いのが「音が怖い」という声です。
ネット上の口コミなどで「軟骨を開けた瞬間に『ブチッ』という音がした」「『ゴリゴリ』という嫌な音が聞こえた」といった体験談を目にして、想像だけで恐怖が増幅してしまっているケースです。

まず結論から言うと、この音は実際に隣にいる人にまで聞こえるような大きな音ではありません。
これは「骨導音(こつどうおん)」と呼ばれる現象です。
皆さんも、耳栓をして自分の歯をカチカチと鳴らすと、頭の中で大きく音が響くのを感じたことがあると思います。
あれと同じ原理です。

軟骨は硬い組織です。
そこにニードルやピアッサーの針が貫通する際、微細ながらも組織が断裂する振動が発生します。

耳たぶのような柔らかい組織ではこの振動は吸収されてしまいます。
しかし硬い軟骨の場合、その振動が減衰せずに頭蓋骨を伝わり、ダイレクトにすぐ近くの内耳(聴覚器官)へと届いてしまうのです。
その結果、自分にだけ聞こえる「衝撃音」として脳に認識されます。

聞こえる音のバリエーションは人それぞれですが、以下のような表現がよく使われます。

  • 「ブチッ」「プチッ」
    硬い膜を突き破ったような、比較的短く鋭い音。
    ニードルでスパッと綺麗に開けた時によく聞かれます。
  • 「ジャリッ」「メリメリ」
    組織が押し広げられるような、少し引きずるような音。
    ピアッサーで押し潰すように開けた時や、軟骨が厚い部位で起こりやすいです。
  • 「ゴリッ」「バキッ」
    まるで骨が折れたかのような鈍く重い音。
    これは非常に硬い部位(ロックやダイスなど)を開けた時や、接続時に手間取った時などに感じることがあります。

この現象を知らずに施術を受けると、
「えっ、今なにか壊れた?!」
「耳がおかしくなったんじゃないか」と
パニックになってしまうかもしれません。
実際に、痛みそのものよりもこの「音」の衝撃で気分が悪くなってしまう人もいるほどです。

しかし、この音は「しっかりと硬い軟骨を貫通した証拠」であり、決して異常事態ではありません。
むしろ、「ちゃんと軟骨に穴が開いたんだな」と確認できるサインだと思ってください。

もしどうしてもこの音が怖いという場合は、好きな音楽を大きめの音量で聴きながら施術を受ける(セルフの場合)という裏技もあります。
しかし基本的には「そういう音がするものだ」と事前に脳内でシミュレーションしておくだけで、驚きは半減します。
「来るぞ、来るぞ…来た!やっぱり音がした!」と冷静に受け止められれば、恐怖心に飲み込まれることはありません。

ニードルとピアッサーの恐怖感

ニードルとピアッサーの恐怖感

次に、穴を開ける「道具」に対する恐怖について深掘りしていきましょう。
一般的にピアスを開ける手段は、バネの力で瞬間的に穴を開ける「ピアッサー(穴あけ器)」と、医療用の注射針のような形状をした「ニードル」の2つに大別されます。

初心者の方にとって、視覚的に怖いのは圧倒的に「ニードル」ではないでしょうか。
鋭利な刃物そのものですし、自分の手でそれを体に刺し込むなんて、想像しただけでゾッとするかもしれません。
一方、ピアッサーはホッチキスのような見た目で、トリガーを引くだけで一瞬で終わるため、「簡単そう」「怖くなさそう」というイメージを持たれがちです。

しかし、「体への負担」と「治癒の早さ(トラブルの少なさ)」という観点で見ると、実はニードルの方が圧倒的に優れているという事実をご存知でしょうか。

ピアッサーの原理は、先端が尖ったスタッド(ピアス本体)を、強力なバネの力で勢いよく発射し、組織を「押し潰しながら無理やり貫通させる」というものです。
例えるなら、紙にキリを突き刺して穴を開けるようなイメージです。
穴の周囲の組織は圧縮され、挫滅(ざめつ)した状態になります。

そのため、開けた後のジンジンとした痛みが続きやすく、傷口が治るのにも時間がかかります。
特に硬い軟骨に対してピアッサーを使うと、軟骨組織が砕けたり、衝撃でヒビが入ったりして、深刻なトラブル(肉芽や変形)の原因になることもあります。

対してニードルは、中空構造(ストロー状)になった鋭利な刃物です。
これは組織を「押し潰す」のではなく、メスのようにスパッと「切り取る(くり抜く)」イメージで穴を開けます。

余計な周辺組織へのダメージが最小限に抑えられます。
その為、開けた後の痛みが少なく、傷口(ホール)が綺麗に完成しやすいのです。
プロのピアススタジオが必ずニードルを使用するのはこのためです。

比較項目ピアッサーニードル
見た目の恐怖度低い(文房具感覚)高い(注射針・刃物)
開け方組織を押し潰して貫通組織を鋭利に切り開く
組織ダメージ大(治りが遅い傾向)小(治りが早い傾向)
手技の難易度簡単(握るだけ)難しい(技術が必要)

「怖いからピアッサーを選ぶ」というのは、実は「その場の一瞬の怖さを避ける代わりに、その後の長い治癒期間のトラブルリスクを取る」という選択でもあります。
セルフでニードルを扱うのは技術的に難しく、失敗のリスクもあるため万人にはおすすめしませんが、「ニードル=痛くて怖いもの」という認識は少し改めても良いかもしれません。

本当に怖いのは、組織を傷めつけてしまうことなのですから。

もしセルフで開ける場合、耳たぶならピアッサーでも十分綺麗に治ることが多いです。
しかし軟骨に関しては、ピアッサーの使用は極力避けるか、軟骨専用のものを慎重に選ぶ必要があります。

そして何より、最も安全で痛くないのは「上手な人がニードルで開けてくれること」です。
つまり、病院やスタジオの利用です。

病院とセルフの安全性比較

病院とセルフの安全性比較

「ピアスを開けたいけれど失敗が怖い」という感情の裏には、「自分でうまくできる自信がない」という手技的な不安と、「病院に行くと高いし大袈裟かな」という経済的な迷いがあるはずです。
ここでは、病院(医療機関)とセルフピアッシングを、安全性とコストの観点から冷静に比較してみましょう。
これは、あなたが「安心」にいくら払えるかという投資の話でもあります。

まず、セルフピアッシングの最大の魅力は「安さ」と「手軽さ」です。
ネット通販やドラッグストアでピアッサーやニードルを購入すれば、1,000円〜2,000円程度で完結します。
思い立ったその日の夜に、自宅で誰にも会わずに開けられる気楽さは捨てがたいものです。

しかし、セルフには以下のような重大なリスクが伴います。

  • 貫通失敗(空打ち)
    恐怖心からトリガーを引く力が弱まり、途中で止まってしまうケース。
    これが一番最悪で、激痛の中、自分で押し込むか引き抜くかの地獄の二択を迫られます。
  • 角度の失敗
    鏡を見ながら自分の耳に垂直に針を刺すのは、至難の業です。
    特に軟骨は耳の形状が複雑なため、斜めにホールが開いてしまいがちです。
    斜めに開いたホールは、治癒が遅いだけでなく、将来的に肉芽ができやすくなります。
  • 感染リスク
    家庭環境は無菌ではありません。
    不十分な消毒や手洗いで施術を行えば、細菌感染のリスクは跳ね上がります。

一方、皮膚科や美容外科などの医療機関で開ける場合、コストは片耳で3,000円〜8,000円、両耳だと10,000円を超えることもあります。
「たかがピアスに1万円?」と思うかもしれませんが、そこには明確な付加価値が存在します。

まず、医療機関では完全な「滅菌操作」が行われます。
感染症のリスクは限りなくゼロに近づけられます。
そして何より大きいのが「位置決め」と「角度」の正確さです。医師や看護師は解剖学のプロですから、血管や神経を避け、将来的にトラブルが起きにくい最適な位置と角度で綺麗に開けてくれます。

さらに、痛みに弱い人にとっては「麻酔」という最強の武器が使えます
(※麻酔の有無はクリニックによります)。
局所麻酔をしてしまえば、開ける瞬間の痛みは皆無です。
また、万が一アレルギー反応や炎症が起きた場合でも、即座に適切な薬を処方してもらえるというバックアップ体制も大きな安心材料です。

「痛いのが怖い」「失敗するのが怖い」という気持ちが強い人ほど、私は声を大にして「病院を選んでください」と言いたいです。
数千円の差額で、一生残るかもしれない傷跡のリスクと、毎晩の消毒の不安を買わなくて済むなら、それは決して高い買い物ではありません。

私も病院でピアスを開けてもらいました。
やっぱりプロに任せるのが安心ですからね。

【病院選びのポイント】
全ての皮膚科がピアスに対応しているわけではありません。
必ず事前にホームページ等で「ピアス施術を行っているか」「ニードルかピアッサーか(軟骨ならニードルが望ましい)」「麻酔は使えるか」を確認しましょう。

金属アレルギーが心配な素材選び

金属アレルギーが心配な素材選び

「開けた時は良くても、その後ずっと痒かったり膿んだりするのが怖い」。
これは非常に賢明な悩みです。

金属アレルギーは一度発症すると完治しない厄介な体質変化ですので、最初の素材選びは一生を左右すると言っても過言ではありません。

市場には「金属アレルギー対応」「医療用ステンレス使用」と謳った安価なピアスが溢れていますが、この言葉を鵜呑みにするのは危険です。
特に「サージカルステンレス(316L)」という素材は注意が必要です。
これは確かに錆びにくく丈夫な素材ですが、組成としては鉄、クロム、そして「ニッケル」を含んでいます。

ニッケルは、アクセサリーによる接触皮膚炎(かぶれ)の原因として非常に頻度が高い金属の一つであることが報告されています。
(出典:公益社団法人日本皮膚科学会『皮膚科Q&A 接触皮膚炎』)

サージカルステンレスはニッケルが溶け出しにくいように加工されてはいますが、完全に出ないわけではありません。

微量でも反応してしまう敏感な体質の方や、汗をかきやすい夏場。
そして何より「生傷」であるピアッシング直後のホールにおいては、アレルギー反応を引き起こすリスクが十分にあります。

では、何を基準に選べば良いのでしょうか。
私が最も強く推奨するのは、「ASTM F136」規格に適合したインプラントグレードチタン(Implant Grade Titanium)です。

少し難しい単語が出てきましたが、要するに「アメリカの材料試験協会(ASTM)が、『これを人間の体の中に埋め込んでも安全ですよ』と認めた最高ランクのチタン」のことです。
人工骨や心臓のペースメーカーなどにも使われる素材で、アレルギーの原因となるニッケルを一切含みません(ニッケルフリー)。

他にも、純度の高い「金(18Kや14K)」や「プラチナ(Pt900以上)」もアレルギーを起こしにくい素材です。
しかし製品によっては割金(わりがね:強度を出すために混ぜる金属)にニッケルやパラジウムが含まれている場合があるため、成分表示をしっかり確認する必要があります。

また、樹脂(透明ピアス)は金属アレルギーの心配はありませんが、素材自体が柔らかく傷つきやすいです。
そこに雑菌が繁殖して不衛生になりやすいため、ファーストピアス(穴を開けて最初に完成までつけ続けるピアス)には不向きです。

「チタンなら何でもいい」わけではなく、「ASTM F136」という規格が明記されているものを選ぶのが、現在考えうる最も安全な選択肢です。
少し値段は張るかもしれませんが(数千円程度)、アレルギー発症のリスクを限りなくゼロにするための必要経費と考えましょう。
Amazonや楽天で探す際も、この規格名をキーワードに入れて検索してみてください。

ピアスが怖い人のための失敗回避策

「痛み」や「素材」への理解が深まったところで、次は実践編です。
実際にピアスを開けた後に待ち受けているかもしれないトラブル、具体的には「膿(うみ)」や「肉芽(にくが)」、そして「なかなか治らない」という不安に対して、どうすれば回避できるのか。
あるいは起きてしまったらどう対処すればいいのか。
具体的なノウハウを持っていれば、恐怖は「管理可能なタスク」に変わります。

膿や肉芽ができる原因と対処

ピアスホールの入り口にできる、赤くてグジュグジュした盛り上がり。
通称「肉芽(にくが)」と呼ばれるこの症状は、見た目も痛々しく、多くのピアスユーザーを恐怖させます。
また、ホールからドロっとした黄色い液体が出てくる「化膿」も避けたいトラブルです。

まず知っておいてほしいのは、「肉芽」と「化膿」は原因も対処法も違うということです。

まず「膿(化膿)」ですが、これは細菌感染です。
黄色や緑色がかったドロっとした液体が出て、嫌な臭いがし、ズキズキと脈打つような痛みを伴います。

原因は、不潔な手で触ったり、消毒が不十分だったりして、傷口にバイキンが入ってしまったことです。
この場合は、抗生物質入りの軟膏(テラマイシンやゲンタシンなど)を塗って菌を殺す必要があります。

一方で、より厄介で頻発するのが「肉芽」です。
医学的には「不良肉芽」や「肉芽腫」と呼ばれる状態に近いものですが、これの主な原因は細菌ではありません。
最大の犯人は「物理的な刺激」です

具体的には、以下のような状況です。

  • シャフト(軸)が短すぎる
    耳たぶや軟骨の厚さに対してピアスの軸が短く、キャッチとトップで耳をギュウギュウに締め付けてしまっている状態。
    圧迫された組織は逃げ場を失い、プクッと外側に盛り上がってきます。
  • ナナメに開いている
    ホールが斜めに開いていると、ピアスをつけている間ずっと組織に偏った負荷がかかり続けます。
    体は「ここに異物があるぞ、排除しろ!」と反応し、肉芽を形成します。
  • 寝ている間の圧迫
    開けたばかりの不安定な時期に、ピアスを下にして寝てしまい、枕で長時間押し付けられることも大きな原因です。

つまり、肉芽を治す(防ぐ)ために必要なのは、薬を塗ることよりも「物理的な負担を取り除くこと」です。
もしシャフトが短いなら、余裕のある長いものに交換する。
枕で圧迫しているなら寝方を変える。

これだけで、嘘のようにスッと引いていくことも珍しくありません。
「怖い」と焦って抗生物質を塗りたくるのではなく、まずは「耳をいじめすぎていないか?」を見直してみてください。

開けた後の安定期間とケア

開けた後の安定期間とケア

「いつまでこの怖い状態が続くの?」というゴールの見えない不安に対しても、明確なタイムラインを持っておきましょう。
ピアスホールは、今日明日で完成するものではありません。
皮膚が内側に再生し、ちくわのようにトンネル状になるまでには、長い時間がかかります。

あくまで目安ですが、部位ごとの安定期間は以下の通りです。

部位初期治癒(外してはいけない)安定・完成(交換可能)
耳たぶ(ロブ)1ヶ月〜3ヶ月3ヶ月〜半年以上
軟骨(ヘリックス等)3ヶ月〜半年半年〜1年以上

ここで重要なのが、「痛くない=治った」ではないという点です。
開けて1ヶ月もすれば、痛みはなくなり、分泌液も出なくなります。

しかし、ホール内部の皮膚はまだ赤ちゃんのように薄くて脆い状態です。
ここで「もう大丈夫だ」と勘違いして、重たいピアスをつけたり、頻繁につけ外しをしてしまうと、せっかくできた薄い皮膚が剥がれ、振り出しに戻ってしまいます(これを「ホールの傷つけ直し」と言います)。

本当に安定したかどうかの見極めポイントは、「陥没(かんぼつ)」です。
ホールの入り口と出口の皮膚が内側に巻き込まれ、綺麗なくぼみができている状態。
そして、ホール周辺の皮膚の色が、他の部分と同じ肌色になっていること。
赤みやピンク色が残っているうちは、まだ内部で炎症がくすぶっている証拠です。

ケアの基本は「触らないこと」です。
消毒液は健康な細胞まで殺してしまうため、基本的には不要です。
(※病院の指導がある場合を除く)

お風呂に入った際に、シャワーの弱流水で汚れを洗い流し、水分をしっかり拭き取る。
これだけで十分です。過剰なケアこそがトラブルの元凶になり得ます。

開ける瞬間の痛みを減らすコツ

いざ「開けるぞ」と決めた瞬間、やっぱり怖くて手が震えてしまう。
そんな時に役立つ、痛みを和らげるための心理的・物理的なテクニックをご紹介します。

まず心理面ですが、人間の脳は「痛い」と思うと、痛覚過敏になり余計に痛みを感じやすくなります。
そこで有効なのが「美的報酬(びてきほうしゅう)へのフォーカス」です。

「痛そう」というマイナスの未来ではなく、
「このピアスが開いたら、あのブランドの可愛いピアスがつけられる」
「髪を耳にかけた時にキラッとして絶対におしゃれだ」というプラスの未来を強烈にイメージしてください。

欲しいものを手に入れるための「代償」として痛みを捉え直すと、不思議と覚悟が決まります。

物理的な対処としては、「アイシング(冷却)」が一般的です。
保冷剤をタオルに包み、耳たぶや軟骨を挟んで冷やします。
感覚がなくなるまで冷やすことで、針が刺さる瞬間の痛覚を麻痺させることができます。

【冷やしすぎに注意】
冷やすと皮膚が収縮して硬くなります。
カチカチに冷やしすぎると、逆に針が通りにくくなり、余計な力が必要になってしまうことがあります。
また、凍傷のリスクもあるため、「感覚が鈍くなる程度」で止めておきましょう。

また、呼吸も大切です。緊張すると息を止めがちですが、筋肉が硬直して痛みを感じやすくなります。
針を刺す瞬間に、大きく「フゥーッ」と息を吐き出してください。
脱力することで、スムーズに針が通ります。

失敗しないための位置決め

「変な位置に開けてしまって後悔するのが怖い」という悩みも尽きません。
一度開けた穴は、塞いでも小さな痕跡が残りますから、位置決め(マーキング)は命がけで行いましょう。

まず、鏡は必ず「正面」だけでなく「斜め」や「横」からも見てください。
耳は平面ではなく立体です。
正面から見てベストでも、横から見るとバランスがおかしいことはよくあります。

特に耳たぶの場合は、「耳の端っこ」に寄りすぎないことが鉄則です。
端すぎると、重いピアスをつけた時に皮膚が伸びて、最悪の場合「耳切れ(裂けてしまうこと)」を起こすリスクがあります。

軟骨の場合は、「平らな面」を探すのがコツです。
軟骨の凹凸が激しい場所に開けると、キャッチが肌に当たって斜めになりやすく、肉芽の原因になります。
指で触って、キャッチが安定して収まるスペースがあるかを確認してから印をつけてください。

セルフの場合は、水性ペンで印をつけ、納得いくまで何度でも書き直しましょう。
「まあここでいいか」という妥協は禁物です。
家族や友人に「この位置どうかな?」と客観的な意見をもらうのも良いですね。

ホットソークでトラブルを防ぐ

ホットソークでトラブルを防ぐ

もし開けた後に「なんとなく調子が悪い」「ちょっと腫れてきたかも」と感じたら、自宅でできる最強の民間療法「ホットソーク」を試してみてください。
これはプロのピアッサーも推奨する、非常に効果的なケア方法です。

原理は簡単です。
体液と同じ濃度の温かい塩水に患部を浸すことで、浸透圧の作用で細胞に負担をかけずに新陳代謝を促し、血行を良くして治癒力を高めるというものです。
膿を出やすくしたり、肉芽を小さくしたりする効果が期待できます。

【ホットソークの具体的なレシピ】

  1. お湯
    36℃〜37℃程度(人肌より少し温かいくらい)。
    熱すぎると火傷するので注意。

  2. お湯100ccに対して、天然塩0.9g(ひとつまみ程度)。
    精製塩(食卓塩)ではなく、ミネラルを含む天然塩がベストです。
  3. 浸す
    小さいカップにお湯を入れ、耳を直接10分〜15分浸します。
    場所的に難しい場合は、ホットソーク液に浸したコットンを患部に当ててパックします(冷めたら取り替える)。
  4. 洗浄
    最後に真水のシャワーで塩分をしっかり洗い流し、ティッシュ等で水分を拭き取ります。

これを1日1〜2回、お風呂上がりなどに行います。
薬ではないので即効性はありませんが、一週間ほど続けると驚くほど状態が落ち着くことが多いです。
「怖いトラブル」の芽を摘むための、強力な武器として覚えておいてください。

迷走神経反射で倒れないための対策

「針を見ると血の気が引く」「痛みで気分が悪くなりそう」という方は、「迷走神経反射(めいそうしんけいはんしゃ)」に注意が必要です。

これは、極度の緊張や痛み、恐怖心によって自律神経のバランスが崩れ、血圧が急激に低下して脳に血がいかなくなる生理現象です。
目の前が真っ暗になったり、冷や汗が出たり、最悪の場合は失神することもあります。

「私は怖がりだから…」と不安な方は、以下の対策を徹底してください。

  • 空腹で施術しない
    血糖値が下がっていると起こりやすくなります。必ず何か食べてから臨みましょう。
  • 睡眠不足を避ける
    体調が万全でないと神経が過敏になります。
  • 座って(または寝て)開ける
    立ったまま開けると、倒れた時に頭を打つ危険があります。
  • 「ヤバい」と思ったらすぐ横にな
    気分が悪くなり始めたら、無理をせずその場にしゃがみこむか、横になって足を高くしてください。
    これで脳への血流が回復します。

病院で開ける場合は、事前に「注射で気分が悪くなったことがあります」と伝えておけば、ベッドで寝たまま施術してくれるなどの配慮をしてもらえます。
恥ずかしがらずに申告することが、安全への第一歩です。

穴を塞いだ後の傷跡は残るのか

「就活や冠婚葬祭で外さなきゃいけないかも」
「将来おばあちゃんになった時に跡が残るのは嫌だ」。
そんな「不可逆性(元に戻せないこと)」への恐怖もあるでしょう。

結論から言うと、一度完成してしまったホールを塞いだ場合、「小さな点のようなくぼみ」としての痕跡は残ることが多いです。
しかし、それは至近距離で凝視しなければ分からない程度のものです。
ニキビ跡や毛穴の開きと同じくらいのレベルと考えて良いでしょう。

逆に、目立つ傷跡(しこりやケロイド状の盛り上がり)が残ってしまうケースは、無理な拡張(穴を大きくすること)を行ったり、化膿を繰り返して組織がボロボロになったりした場合です。
つまり、最初から適切な位置に、適切な方法(ニードルや病院)で綺麗に開け、トラブルなく安定させれば、将来ピアスを卒業した時も、綺麗な耳に戻れる可能性が高いのです。

「綺麗に開けること」は、未来の自分の耳を守ることにも繋がります。

病院受診が必要な危険なサイン

ここまでセルフケアを中心にお話ししましたが、素人が手を出してはいけない「レッドフラッグ(危険信号)」があります。
以下の症状が見られた場合は、ネットで検索している時間を惜しんで、すぐに皮膚科へ行ってください。

【即受診すべき危険サイン】

  • 耐え難い痛み
    鎮痛剤を飲んでも効かない、眠れないほどの痛みがある。
  • 広がる赤みと熱感
    ホールの周りだけでなく、耳全体が赤く腫れ上がり、触ると熱い。
  • 全身症
    37.5度以上の発熱がある、耳の下や首のリンパ節が腫れて痛む。
  • 埋没(まいぼつ)
    ピアスが腫れ上がった皮膚の中に埋まってしまい、取れなくなった。

これらは細菌が深部まで感染している「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」や軟骨膜炎の兆候である可能性があります。
こうなるとホットソークや市販薬では太刀打ちできません。
抗生物質の内服や点滴が必要です。

早めに行けば数日の投薬で治りますが、放置すると耳の変形に繋がることもあります。
「怖いから病院に行かない」のではなく、「怖いことにならないように病院に行く」のが正解です。

怖いなら無理せず「プロに丸投げ」が正解

ここまで、セルフで開ける際のリスクや、トラブルが起きた時の対処法を詳しく解説してきました。
しかし、これを読んで逆に「うわ、やること多いな…」「やっぱり自分で自分の体に針を刺すなんて無理かも」と尻込みしてしまった方もいるかもしれません。

正直にお伝えします。
もし少しでも「怖い」「自信がない」と感じるのであれば、無理に自分で開けようとせず、素直に病院やピアススタジオのプロに任せてしまうのが、間違いなく「正解」です。

「ピアス 怖い」という検索をするあなたは、きっと危機管理能力が高く、慎重な性格なのだと思います。
そんな方がセルフピアッシングを行うと、開けた後も「位置はこれで合っていたかな?」「消毒は足りているかな?」「ちょっと赤くなってきたけど大丈夫かな?」と、常に不安と戦い続けなければなりません。

その精神的なストレスは、決して小さくないはずです。

医療機関やプロのスタジオにお金を払うということは、単に穴を開けてもらうだけでなく、「施術の責任と安全管理をプロに丸投げする権利」を買うということでもあります。

  • 完璧な滅菌環境
    自分で準備しなくても、感染症のリスクは最低限に抑えられます。
  • 美しい角度と位置
    解剖学を熟知したプロが、あなたの耳にベストな位置を決めてくれます。
  • 痛みの緩和
    医療機関なら麻酔が使えることもあり、スタジオなら神業のような速さで終わらせてくれます。

セルフキットが1,000円で、病院が10,000円だとすると、その差額の9,000円は「安心代」です。
一生残るかもしれない傷跡のリスクや、毎日の不安を解消するための保険料だと考えれば、決して高くはありません。

「自分で開けられないなんてダサい」なんて思う必要は微塵もありません。
むしろ、自分の身体を大切にするための、非常に賢く大人な選択だと私は思います。

ピアスが怖い気持ちを解消する知識まとめ

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
ピアスに対する「怖い」という気持ち、少しは整理できたでしょうか。

最後に改めてお伝えしたいのは、「恐怖心は、あなたの身を守るための優れたセンサーである」ということです。
「怖い」と感じるからこそ、あなたはこうして情報を集め、清潔な環境を整え、慎重に行動しようとしています。
その慎重ささえあれば、大きなトラブルは未然に防げます。

  • 痛みは組織構造上、ある程度予測可能であり、一過性のものです。
  • 「音」は骨導音という生理現象であり、異常ではありません。
  • 失敗や痛みが怖いなら、迷わず「病院」というプロの技術に投資しましょう。
  • 素材は妥協せず、「ASTM F136チタン」を選べばアレルギーリスクは激減します。
  • 万が一トラブルが起きても、ホットソークや医療機関という「逃げ道」がちゃんとあります。

また先ほども書きましたが、セルフピアッシングは注意事項がとても多いです。
少しでも不安を感じているなら医療機関に依頼するのが間違いありません。

私も初めてピアスを開けるときは医療機関にお願いしました。
痛がりな私はかなり不安だったんですが、看護婦さんに優しく接してもらい、少し安心したのを今でも覚えています。

いざ治療となっても「えっ、もう終わり?」とびっくりする位あっさり終わり、散々悩んでいた時間は何だったの?と思うくらいでした。

ピアスが怖いと感じているなら、医療機関に相談するとこをから始めても良いと思いますよ!

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